DFM 設計ガイドライン
製造可能性(Design for Manufacturability)の設計目安 | 最終更新日:2026年10月13日
3Dプリントの設計時に確認したい項目をまとめています。数値は一般的な設計目安であり、すべての素材・形状の造形可否や完成品の公差を保証するものではありません。重要寸法や必要な強度は、注文前に個別にご相談ください。
≥ 1.5 mm
最小肉厚
≥ Ø1.0 mm
最小貫通孔径
個別相談
寸法公差(重要寸法)
推奨最小肉厚:1.5 mm
肉厚が1.5mmを下回る箇所は、造形時の熱収縮や反りが発生しやすくなります。特にSLS方式の場合、薄肉部のレーザー焼結が不十分となり、強度低下や歩留まり悪化の原因となります。
| 肉厚 | 判定 | 備考 |
|---|---|---|
| ≥ 1.5 mm | ✓ 推奨 | 設計時の目安。素材・形状に応じて製作可否を確認 |
| 0.8 – 1.5 mm | ⚠ 注意 | 変形や強度不足のおそれがあるため、注文前に個別確認が必要 |
| < 0.8 mm | ✗ 非推奨 | 造形不可能または強度不足の可能性が高い |
アップロード時の自動チェックは外形寸法の参考確認です。局所的な肉厚や穴径、造形可否は自動検査していません。警告がなくても肉厚が適切とは限りません。スナップフィットやクリップなど、変形を利用する部品は、材料銘柄の物性と使用条件を確認して設計してください。
推奨最小穴径:1.0 mm(貫通孔)
1.0mm未満の貫通孔は、造形時に粉末(SLS)または樹脂(SLA)が完全に排出されず、閉塞する場合があります。特に深さ方向のアスペクト比(L/D)が3を超える穴は、内面の粗さが増大します。
- 貫通孔:最小 Ø1.0 mm
- 止り穴:最小 Ø1.5 mm(深さは直径の2倍まで)
- 長穴・スロット:幅 ≥ 1.0 mm、長さ ≥ 3.0 mm
ネジ穴や位置決めピン用の穴は、公差を考慮して呼び径+0.2mm程度のクリアランスを設けることを推奨します。
中空構造には必ず排出穴を設置してください
SLA方式の場合、内部に閉じ込められた未硬化樹脂は後処理で排出できず、硬化時に体積膨張してモデルを破損させる原因となります。SLS方式でも、内部に残留した粉末の完全除去には排出穴が必要です。
- 排出穴径:最小 Ø3.0 mm(SLA)、最小 Ø5.0 mm(SLS)
- 配置:中空領域の最低部に2箇所以上
- 密閉空洞は極力避けてください。造形不可となる場合があります
排出穴は製品の強度に影響しない位置(底面や組み立て後の非露出面)に配置することを推奨します。
SLA方式ではサポート材の除去痕が表面に残ります
SLS方式はサポート材が不要(未焼結粉末がサポートの役割を果たす)ですが、SLA/FDM方式では造形時にサポート材が生成されます。サポート材の除去後、接触面には微細な凹凸が残ります。
- 外観面の粗さを最小化するため、主要な外観面をビルドプラットフォームから離して配置してください
- サポート材の除去は手作業のため、複雑な内部構造のサポートは完全除去が困難な場合があります
- 「バレル研磨」オプションを併用することで、サポート痕を含む表面の平滑化が可能です
45度以下のオーバーハング部にはサポート材が生成されます。設計上オーバーハングを最小化することで、サポート材の量と後処理工数を削減できます。
後処理により寸法が微小に変動します
寸法公差は素材・形状・造形方向により異なります。必要な公差は注文前に個別にご相談ください。後処理を適用した場合、以下の変動が生じます。
| 後処理 | 寸法変動 | 影響範囲 |
|---|---|---|
| 素材色(未処理) | 造形条件による | 必要な公差は注文前に個別確認 |
| 染色処理(個別相談) | 素材・処理条件による | 対応可否と寸法への影響を事前確認 |
| バレル研磨 | 形状・研磨条件による | 表面が削られるため、嵌合部は仕上げ後の寸法を事前確認 |
| 研磨仕上げ(SLA) | 形状・研磨条件による | サポート痕を含む表面の仕上げと重要寸法を個別確認 |
嵌合部(はめ合い)や精度を要する機能面がある場合は、後処理による寸法変動を事前に考慮した設計を行ってください。詳細はサポートまでお問い合わせください。
3Dプリント部品は積層方向によって強度が異なります(異方性)
強度と積層方向の関係は、素材・造形方式・後処理・試験条件で異なります。材料名だけで一定の強度比を保証することはできません。
- 強度の数値が必要な場合は、使用材料の銘柄とメーカー資料の試験条件を確認してください
- 荷重がかかる位置・方向や、繰り返し変形させる箇所を注文前にお知らせください
- 負荷がかかる方向を考慮して、モデルの配置方向(向き)を最適化してください
造形方向とサポートは、素材・形状・用途に応じて造形準備時に確認します。自動配置だけで、お客様の用途に必要な強度や精度を保証するものではありません。
はめ合い・重要寸法・仕上げなどのご希望は、モデルをアップロードした後の備考欄にご記入ください。3Dデータをアップロードする